こんにちは!マツナガです!
今日の記事では、消防士の昇任試験の内容・時期・問題の詳細を解説したいと思います!
消防士は階級社会です。消防士として出世し、お給料を上げて偉くなるためには階級を上げなくてはなりません。
階級を上げるには、消防本部で実施している昇任試験に合格する必要があります。
一般的な政令指定都市ですと、消防司令までは昇任試験で昇任することができます。
ちなみに、東京消防庁だと「消防司令長」まで、大阪市消防局だと「消防司令補」まで昇任試験があるようです。本部ごとにどの階級まで昇任試験があるかは違いがあります。
試験内容は消防本部ごとに異なりますが、「小論文」「各種法令や一般教養などの筆記試験」「消防隊指揮訓練」「訓練礼式などの指揮訓練」「面接」「プレゼン」などを実施します。
こういった試験を突破すれば階級を上げることができるので、消防士の出世は公平なところが良い点ですよね。
それでは、さっそくやっていきましょう!
目次
昇任試験の時期は消防本部ごとにまちまちです。
一例ですが、私が勤めていた消防本部では8月後半に筆記試験・小論文の1次試験があり、10月後半に訓練礼式・小隊指揮訓練・面接・プレゼン試験の2次試験がありました。
基本的には毎年1回行われますので、階級を上げて出世する機会は年1回あるということです。
消防士の出世コースについてはこちらの記事を参照してください。
ここからは、私が所属していた消防本部の昇任試験を例として内容を解説していきたいと思います。
消防士の昇任試験は1次試験と2次試験に分かれています。
1次試験は筆記試験と小論文、2次試験は訓練礼式、小隊指揮訓練、面接、プレゼン試験などの実技試験となっています。
1次試験
1次試験の最初は庶務・警防・予防の3科目の筆記試験です。
私が所属していた消防本部では、3科目で解答時間は120分でした。
筆記試験の出題範囲と過去問は、試験の約2カ月前に発表されていました。
基本的にはこの過去問を参考にして勉強していくことになります。
試験内容としては、それぞれの科目に相当する法令、通知、自治体関連の規程、時事関連の問題がメインとなっています。
・法令・・・地方公務員法、消防組織法、消防法、消防法施行令、消防法施行規則
・通知・・・消防法に関連した各種通知
・自治体関連・・・自治体の火災予防条例、その他自治体の条例、自治体の基本計画、ガイドライン等
・時事関連・・・近年起きた火災等に関する問題、近年起きた火災等で改正された法令に関する問題等
筆記試験の難易度は、階級が上がるたびにどんどん難化していきます。
消防士長試験の場合は虫食いや記号などが大半ですが、消防司令補試験は記述形式が増えてきて、消防司令試験になると全て記述式の試験になります。
また、階級が上がるたびに出題範囲もどんどん広くなってきます。
昇任試験の勉強時間はこの筆記試験対策に大半が費やされます。
特に試験範囲が広い消防司令試験の場合は、試験の2カ月前くらいから準備しないと勉強量的には間に合わないでしょう。
ちなみに、カンニングなどの不正行為があった場合は、その年の昇任試験が失格になるばかりではありません。
人事記録に不正行為をしたという記録が残ってしまうので、不正行為をした人はその後の昇任試験に受からないだけでなく、出世は望めないでしょう。
消防士の階級については、こちらの記事も参照してください。
筆記試験が終わった後は小論文試験です。
私が所属していた消防本部では、60分で1000字~1500字の小論文を書き上げる必要がありました。
論文の出題内容は試験当日に発表されます。
出題の内容は消防に関する時事問題や、幹部職員としての抱負、部下のマネジメント方法、高齢化社会を迎えるにあたっての消防本部のあり方など多種多様です。
この中で、「幹部職員としての抱負」「部下のマネジメント方法」などは頻出のお題なので、事前に対策することが可能です。
ちなみに、当然ですが小論文での組織批判はNGです(笑)
私は事前に出題を想定しての小論文を作って暗記しておき、当日に似たようなお題が出たら暗記した小論文を少しアレンジして対応するという方法で勉強していました。
2次試験
1次試験が終わった約1カ月後に1次試験合格者の発表があり、2次試験に進むことが出来ます。
2次試験は実技試験がメインとなっているので、1次試験合格者が発表された後、2次試験までの1カ月間をみっちりと練習していました。
2次試験の最初は訓練礼式の試験です。
数十人の部隊の指揮者として号令をかけたり、動作の説明をするという試験です。
例えば、「気を付け」「右へならえ」「回れ右」などを説明してから実施させたりする内容になります。
中でもメジャーなのが通常点検です。
通常点検とは、各隊員の規律や体調を確認したり、服装や姿勢、消防手帳の検査などを一定の礼式に基づいて行う点検です。
通常点検は指揮要領が決まっており、この通常点検の指揮者役が試験科目となります。
通常点検の指揮者の動作や号令のかけ方は一つ一つ決まっているので、暗記するのが大変です。
何回も繰り返し練習したり、YouTubeで通常点検の動画を見たりして事前に対策をする必要があります。
消防学校の通常点検で気絶した思い出についてはこちらの記事を参照してください。
続いて小隊指揮訓練です。
この試験は、4人の消防隊の指揮者役となり、実際の災害に応じた訓練を実施する内容となっています。
訓練内容は当日に発表されるので、事前にいくつもの災害を想定した訓練を何回も練習しておく必要があります。
例えば、建物火災の想定では出場から現場での指揮方法、必要な資機材の選定、各隊員への指揮などを評価されます。
また、自動火災報知設備が鳴動した場合の出場では、受信機の操作方法、住民への説明、火災又は非火災の見極めなどが評価されます。
いずれの想定でも、実際の災害を想定して臨機応変に対応したり、資機材や対応方法の知識が要求されるので、事前の対策が非常に重要になってきます。
2次試験には面接試験もあります。
消防本部の幹部になる試験なので、当然その人柄も面接で見られるということですね。
面接官は消防長を含む幹部3人です。
面接時間は約15分~30分程度です。
面接で問われる内容は本当に多種多様です。
参考までに、私が昇任試験で聞かれた内容を紹介します。
・前日の夜は眠れたか
・筆記試験の手ごたえはどうか
・趣味は何か
・休日は何をしているか
・座右の銘は
・尊敬している人物とその理由は
・職場でかかえている課題は
・今後のキャリアプランは
・職場で気が合わない人間とどう付き合うか
・消防団員を増やすにはどういう方法が考えられるか
・最近気になる消防関係のニュースは
・消防本部で最もやりがいがある係は何か
面接試験は制服で行われます。
また、対策としては何回か模擬面接を行ったりして練習していました。
面接はその人物の人柄や考え方を見る非常に重要な試験なので、ここで組織批判などNGです。
このプレゼン試験は私が所属していた消防本部が実施していた独自の昇任試験の科目です。
内容は自由で、「お題は何でも良いので、10分間のプレゼンを行う」というものです。
使う機材も基本的には自由でしたが、ほとんどの人はパワーポイントを使ってプレゼンしていました。
面接官は、消防長を含む幹部3人です。
ちなみに私が昇任試験を受けた時は「消防団員を増やす方策」についてプレゼンしました。
消防に関する時事問題や、組織に関する改善計画などをプレゼンする人が多かったですね。
こちらも小論文や面接と同じですが、組織批判はNGでしたね(笑)
こういったプレゼン試験のように、独自の試験科目を設けている消防本部もあります。
今日の記事では、消防士の昇任試験の内容・時期・問題の詳細を解説しました!
・消防士が給料を上げるには階級を上げて偉くなるしかありません。階級を上げるために毎年実施される試験が昇任試験です。
・昇任試験の時期は消防本部によってまちまちです。私が所属していた消防本部では、8月後半に1次試験、10月後半に2次試験となっていました。
・1次試験の例はは筆記試験と小論文試験
・2次試験の例は訓練礼式、小隊指揮訓練、面接、プレゼン試験など
といったところで今日は終わりです。
本日の記事はいかがだったでしょうか?
それでは、また次の記事でお会いしましょう!
消防士の給料についてはこちらの記事を参照してください。
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消防士の休みについてはこちらの記事を参照してください。
👉 【休みは多い?】消防士の休みのサイクルについて徹底解説!【休暇は取れる?】
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