こんにちは、マツナガです!
こんにちは、マツナガです。
今回の記事では、「消防士の階級」について説明していきたいと思います!
消防士の階級の上がり方は?年齢はどのくらいか?どんな役職が付くのか?警察官との階級の比較は?階級ごとの役割は?などなど、いろいろな疑問に答えますので、よろしくお願いします。
それでは、さっそくやっていきましょう!
・消防士になりたい人
・若手消防士で、今後の進路を決めかねている人
・階級ごとにどのような仕事内容になるか知りたい人
・おおよその階級ごとの年収が知りたい方
目次
一般的には消防職員の事をすべて消防士と呼ぶ場合が多いが、日本においては正しくは消防本部に勤務する公務員は消防職員であり、その中で消火・救急・救助・査察などの業務を行う者が消防吏員でその消防吏員の一番下の階級が消防士である。
出典:Wikipedia
というように、一般のイメージですと消防職員のことを全て「消防士」と呼ぶ場合が多いですが、実際に消防の現場では「消防士」とは一番下っ端の階級のことです。
総務省消防庁の資料によると、全国の消防職員のうち18%が消防士の階級です。
消防士の階級は警察官で言うと「巡査」に相当します。
消防では、どんな人でも必ずこの「消防士」から階級がスタートします。
消防学校に入校したときも階級は「消防士」です。
現場での役職は、消防隊・救急隊・救助隊ですと一般の隊員、予防などの毎日勤務(※消防署に泊り込みの当直業務をしない勤務形態のこと。普通のサラリーマンと一緒)ですと係員となり、どの職域でも一番の下っ端です。
消防士の役割
各部隊での消防士の役割・仕事の例はこんな感じです。
・1番員として放水長又は2番員として放水長の補助
・「機関員」の資格があれば、消防車の運転
・火災調査・訓練関係書類など、行政文書作成の補助
・ご飯づくり、掃除、仮眠室のベットメイキングなどの雑用
・隊員として、傷病者病状の聴取・観察、搬送、付添い者の応接などの救急業務
・「機関員」の資格があれば、救急車の運転
・「救急救命士」の資格があれば、気管挿管や輸液などの救急救命士業務
・救急活動をした場合は、報告書の作成
・ご飯づくり、掃除、仮眠室のベットメイキングなどの雑用
・住民などから提出された各種書類の受付、審査
・管内の建物の立入検査
・消防団などの各種外郭団体の運営、イベントの開催など
・職員の福利厚生に関する事務など
年齢は高卒直後の19才~30代前半まで様々な人がいますが、30代半ばを超えて消防士ですと、マツナガの本部では「伝説の消防士」と言われていました(笑)
消防士の年収
「消防士」は給料も低い(年収300~400万くらい)ので、昇任試験を受けられるようになったらさっさと昇進しましょう。
消防副士長は警察官で言うと、「巡査長」に該当します。「こち亀」の両さんと一緒ですね。
出典:こちら葛飾区亀有公園前派出所
総務省消防庁の資料によると、全国の消防職員のうち10.3%が消防副士長の階級です。
現場での仕事は、消防士とほぼ同じです。
この「消防副士長」の階級には、昇任試験で上がるパターンと、消防士として何年か勤務すると勝手に昇任するパターンがあり、消防本部によって違います。
年齢は20代前半から昇任することができる本部が多いと思います。
基本的に昇任意欲のない人は、退職するまでこの階級のままの場合があります。
たとえば、
現場で機関員としてずっと消防車を運転していたい!
とか、
ずっと放水長として現場で水を出していたい!
という人ですね。
若手の消防士にマウントをとったり、エラそーな態度で接してくるのもこの階級のおじさんが一番多かったです(笑)
一説によると、「消防長(その消防本部で一番偉い人)よりも偉いのではないか」とのギャグがありましたね。
「消防副士長」も給料は高くないので、昇任試験を受けられるようになったらさっさと昇任しましょう。
消防士長は警察官で言うと「巡査部長」に相当します。「こち亀」の大原部長と一緒ですね
出典:こちら葛飾区亀有公園前派出所
総務省消防庁の資料によると、全国の消防職員のうち27.7%が消防士長の階級です。
現場での役職は副主任、副隊長、係員などです。消防隊・救急隊・救助隊ですと放水長、救急隊長代理など隊の主要メンバー、予防などの毎日勤務ですと副主任、係員となります。
消防士長の役割
各部隊での消防士長の役割・仕事の例はこんな感じです。
・1番員として放水長
・「機関員」の資格があれば、消防車の運転
・火災調査・訓練関係書類など、行政文書の作成
・次の当直日の職員の配置決め
・住民などから提出された各種書類の受付、審査
・救急隊長が不在の場合は、救急隊長代理として、病院の選定、医者への引継ぎ、傷病者病状の聴取・観察、搬送、付添い者の応接などの救急業務
・「救急救命士」の資格があれば、気管挿管や輸液などの救急救命士業務
・「機関員」の資格があれば、救急車の運転
・救急活動をした場合は、報告書の作成
・住民などから提出された各種書類の受付、審査
・管内の建物の立入検査
・消防団などの各種外郭団体の運営、イベントの開催など
・職員の福利厚生に関する事務など
消防士長まで階級が上がれば、雑用からはほぼ解放されるでしょう。
マツナガが勤務していた消防本部では、24才以上になると、消防士長昇任試験の受験資格を得ることができました。
ですので、理論上は大卒ストレートで消防学校に入校すれば、消防学校を卒業して、現場1年目(24才の時)に消防士長昇任試験を受け、25才で消防士長になることができました。
消防士長の年収
「消防士長」も給料はそこまで高くありません。年収は消防本部や年齢によりますが、おおむね400万円台といったところです。昇任試験を受けられるようになったらさっさと昇任しましょう。
消防司令補は警察官で言うと、「警部補」に相当します。古畑任三郎と同じですね。
出典:古畑任三郎
総務省消防庁の資料によると、全国の消防職員のうち25.9%が消防司令補の階級です。
現場での役職は係長、主任、主査などです。消防隊・救急隊・救助隊ですと消防隊長、救急隊長、救助隊長など隊のリーダー、予防などの毎日勤務ですと係長、主任、主査などとなります。
消防司令補の役割
各部隊での消防司令補の役割・仕事の例はこんな感じです。
・消防隊長を務める場合が多い
・出張所勤務の場合は、出張所長又は出張所長代理
・「機関員」の資格があれば、消防車の運転(司令補まで昇任すると機関員になる機会は少ない)
・火災調査・訓練関係書類等の行政文書作成
・次の当直日の職員の配置決め
・住民などから提出された各種書類の受付、審査
・救急隊長として、病院の選定、医師への引継ぎ、傷病者病状の聴取・観察、搬送、付添い者の応接などの救急業務
・「救急救命士」の資格があれば、気管挿管や輸液などの救急救命士業務
・「機関員」としては勤務しない。
・救急活動をした場合は、報告書の作成
・「係長」の役職が付く場合は、係全体の仕事及び係員のマネジメント
・住民などから提出された各種書類の受付、審査
・管内の建物の立入検査
・消防団などの各種外郭団体の運営、イベントの開催など
・職員の福利厚生に関する事務など
消防本部によっては、この消防司令補の階級で「係長」となり、部下を多数持つことになります。
マツナガが勤務していた消防本部では、消防士長として4年以上の勤務経験があると消防司令補昇任試験の受験資格を得ることができました。
ですので、理論上は大卒ストレートで消防学校に入校すれば、消防士長4年目(28才の時)に消防司令補昇任試験を受け、29才で消防司令補になることができました。
総務省消防庁や、自治体の他部局、各種関係団体に派遣される場合は消防司令補に昇任してからが多いですね。
地方公務員の消防士ですが、総務省消防庁に派遣されると一時的に「国家公務員」として勤務することになります。
消防士は地方公務員です。詳細の解説はこちらの記事を参照してください。
👉【違いを解説】消防士は市町村の地方公務員です!【国家公務員ではない】
消防司令補の年収
消防司令補までになると、基本給もだいぶ高くなってきますので、生活にも余裕が出てくるでしょう。なので、
給料は欲しいけど、管理職になると面倒くさそうだからこのままでいいや~
という人は、消防司令補の階級で定年を迎えます。
年収は消防本部や年齢によりますが、500万~600万といったところです。
消防司令は警察官で言うと「警部」に相当します。名探偵コナンで言うと、目暮警部ですね。
出典:名探偵コナン
総務省消防庁の資料によると、全国の消防職員のうち13.4%が消防司令の階級です。
現場での役職は係長、課長補佐などです。消防隊ですと消防隊長、出張所長として隊のリーダー、予防などの毎日勤務ですと係長、課長補佐などとなります。
まれに例外はありますが、消防司令まで昇任すると、基本的には救助隊長や救急隊長にはなりません。(まれにありますが)
仕事が管理職として幹部的な役割に移行するということだね。
消防司令の役割
各部隊での消防司令の役割・仕事の例はこんな感じです。
・係長、課長補佐、消防隊長などを務める
・出張所勤務の場合は出張所長
・火災調査・訓練関係書類等の行政文書作成
・住民などから提出された各種書類の審査
・「係長」「課長補佐」の役職が付く。係全体の仕事及び係員のマネジメントを行う。
・本部勤務の場合は、地方議会(市議会、町議会など)の担当になる場合もある
・住民などから提出された各種書類の受付、審査
・管内の建物の立入検査
・消防団などの各種外郭団体の運営、イベントの開催など
・職員の福利厚生に関する事務など
ここで気付いた方!!!!!
あれ?毎日勤務の場合は、消防士から消防司令までで、あまり仕事内容変わってなくない?
大正解です!!!!!
基本的に毎日勤務の場合は、消防士~消防司令まで、責任の軽重はあれど、仕事の内容はほぼ同じです。係長になると、係全体の仕事や係員のマネジメント業務が必要になりますが、大まかな仕事内容は変わりません。
消防隊、救助隊、救急隊ですと、隊長と隊員では仕事内容が全然違いますからね・・・。
なので、毎日勤務を希望していたり、本意でないまでも毎日勤務に配属された場合は、さっさと昇任試験を受けてしまったほうが良いでしょう。給料も高くなりますからね。
仕事内容があまり変わらないのに、給料が高いなら、早く昇任してしまったほうが良いね!
ただし、昇任することにより、消防隊などの現場に戻されてしまう可能性もあります。勤務する消防本部によると思いますので、実際に就職したら、昇任した場合の異動状況を良く見ておきましょう。
マツナガが勤務していた消防本部では、消防司令補として5年以上の勤務経験があると消防司令昇任試験の受験資格を得ることができました。
ですので、理論上は大卒ストレートで消防学校に入校すれば、消防司令補5年目(33才の時)に消防司令昇任試験を受け、34才で消防司令になることができました。
消防司令になると出張所長になります。出張所長の一日のスケジュールはこちらの記事を参照してください。
消防司令の給料
消防司令になると、基本給・ボーナス共にかなり高くなります。消防司令まで昇任すると、ボーナスの掛け率が一般の職員より上がる本部もありますからね。年収は消防本部や年齢によりますが、600万~800万といったところです。
消防士が階級を上げるには、基本的には毎年1回実施される「昇任試験」という試験を受験して合格する必要があります。
試験内容は消防本部ごとに異なりますが、「小論文」「各種法令や一般教養などの筆記試験」「消防隊指揮訓練」「訓練礼式などの指揮訓練」「面接」などを実施します。
消防本部によって、昇任試験の内容は異なります。中には、プレゼンを昇任試験の課目にする本部もあるみたいです!
一般的な政令指定都市ですと、消防司令までは昇任試験で昇任することができます。ちなみに、東京消防庁だと「消防司令長」まで、大阪市消防局だと「消防司令補」まで昇任試験があるようです。本部ごとにどの階級まで昇任試験があるかは違いがあります。
昇任試験により、昇任することができる階級の上限に達すると、その階級以降の昇任は「選考」といって、普段の勤務実績などを評価されて昇任することになります。
上司からの評価が良くないと、若くして消防司令まで昇任したのに、定年するまで消防司令のままだったとかもあるよ。
消防司令長以上の階級になると、完全に「管理職」となりますので、どのような現場であろうと組織の全体の仕事と部下のマネジメントが業務となります。
ですので、消防司令長以上の階級については、仕事内容の説明は省略します。
警察官で言うと、「警視」に該当します。
総務省消防庁の資料によると、全国の消防職員のうち3.7%が消防司令長の階級です。
人口10万人未満の小規模消防本部では「消防長(その本部で一番偉い階級)」となります。それ以外の本部では、署長、副署長、副参事、課長などの役職が付きます。
東京消防庁の場合は、昇任試験で昇任することができる上限の階級です。年齢は昇任が早くても40代後半以降になるでしょう。
年収は消防本部によりますが、800万~900万後半といったところです。基本給も高くなりますが、何より月給やボーナスに「管理職手当」が付くようになります。
警察官で言うところの「警視正」に該当します。
総務省消防庁の資料によると、消防監以上の階級に着く人は、全国の消防職員のうち1.1%しかいません。
人口10万人~30万人規模の消防本部では消防長となります。それ以外の本部では、署長、消防本部の課長、参事の役職が付きます。
年齢は早くても50代前半以降になるでしょう。年収は消防本部によりますが、900万後半~1000万を超えるくらいといったところです。地方公務員であっても、ここまで出世すれば年収1000万プレーヤーになりますね。
警察官で言うところの「警視長」に該当します。
人口30万人~70万人規模の消防本部では消防長となります。それ以外の本部では、次長、部長、方面本部長、署長の役職が付きます。
年齢は50代半ば以降になるでしょう。年収は、消防本部によりますが、1000万以上となります。
警察官で言うところの「警視監」に該当します。
人口70万人以上又は政令指定都市の消防長となります。東京消防庁では、次長又は部長の役職が付きます。
ちなみに、消防長になると、関係部局長や市町村長との会議、市町村議会での答弁、各種イベントへの出席など、マジで分刻みのスケジュールとなります。
また、部下職員が不祥事を起こしたりすると、消防長も懲戒処分されるケースがあります。
責任の重大さや忙しさを考えると、年収に見合っているかは微妙なところですね~
年齢は、50代後半になるでしょう。年収は消防本部によりますが、1000万~1300万円といったところです。
警察官で言うところの「警視総監」に相当します。
というか、消防総監は東京消防庁の消防長のことなので、日本で一人しかいません!!!!
東京消防庁の職員数は約18000人なので、すごく大きい組織のボスということになりますね。
東京消防庁は、総務省消防庁(職員数約200人)よりも規模的には圧倒的に大きいです。
ちなみに、総務省消防庁は、管理職以外の職員はほぼ全国の消防本部から数年の期間限定で派遣されている消防職員で構成されています。
消防士になったら、総務省で働くことができるチャンスがある可能性がありますよ。
年齢は定年間際の50代最終盤でしょう。年収は約1500万円程度といわれています。
今日は、消防士の階級について、消防士の階級はどのように上がるのか?年齢はどのくらいか?どんな役職が付くのか?警察官との階級の比較は?階級ごとの仕事の内容は?といった観点から解説しました!
消防士を目指している人や、消防士になりたい人、若手消防士の方の参考になれればうれしいです!
といったところで今日は終わりです。
本日の記事はいかがだったでしょうか?
それでは、また次の記事でお会いしましょう!
消防士の出世コースについてはこちらの記事を参照してください。
消防士の給料についてはこちらの記事を参照してください。
消防士の一日のスケジュールについてはこちらを参照してください。